インビザラインで歯列矯正に失敗したら読む記事

マウスピース型矯正の代名詞ともいえるインビザライン。日本でもその知名度は高く、歯並びを治すならインビザラインと決めている人も少なくないことでしょう。そんなインビザラインは、ワイヤー矯正とは異なる面が多く、歯列矯正で失敗する確率も従来法よりやや高くなっているといっても間違いではありません。

今回はそんなインビザラインで歯列矯正に失敗する原因や回避する方法、実際に失敗してしまった方に向けてリカバリーする方法などを名古屋市千種区の星ヶ丘矯正歯科が詳しく解説をします。

インビザライン治療の失敗例と原因

インビザライン治療の失敗例としては、以下の6つが挙げられます。原因も併せて解説します。

失敗例1:歯並びがきれいに治らなかった

標準的なインビザライン矯正では、50枚程度のマウスピース(アライナー)を使用します。それを使い終わってもイメージしていた歯並びにならなかったというケースは珍しくはありません。例えば、「出っ歯をきれいに治して、Eラインも日本人の理想に近付けたかったのに、口元の突出感は残ったままだった」という結果に不満を感じている方もいらっしゃることでしょう。

【原因】

歯並びがきれいに治らなかった原因は複数、考えられます。

  • 診断および治療計画に誤りがあった
  • マウスピースを適切に装着しなかった
  • インビザラインできれいに治せる症例ではなかった
  • 矯正の妨げとなる口腔習癖があった

インビザラインはとてもシンプルな矯正法ですが、歯科医師の技術や知識、経験によって結果が大きく変わってきます。経験の浅い歯科医師が治療を担当すると、診断や治療計画の立案にミスが生じたり、患者さんとの情報共有に齟齬が生じたりするため、満足のいかない結果に終わることも多々あります。そもそもインビザラインではきれいに治せない症例があることも、事前に知っておくことが大切です。

失敗例2:治療が終わらない

インビザライン矯正は、スケジュール通りにマウスピースを交換することで治療が進行していきます。そのルールを守った上で、大きなトラブルが発生しなければ予定通り治療も終了しますが、いくつかの理由で長引く場合もあります。本来は1年で終わると聞いていたのに、1年半経過しても終わりが見えない場合は、治療が失敗したと感じるかもしれません。

【原因】

インビザライン矯正が終わらない主な原因は、マウスピースを装着する時間の不足です。1日20~22時間の装着を継続できない場合は、間違いなく治療期間が延長します。マウスピースの交換頻度や順番を間違えることでも、治療がスケジュール通りに進まなくなるため十分な注意が必要です。

失敗例3:噛み合わせが悪くなった

歯並びと噛み合わせは異なるものです。一見するときれいに並んだように見えても、上下の歯列が適切な位置で噛み合っていなければ、そしゃく機能を担うことが難しくなります。インビザラインは、治療システムの性質上、ワイヤー矯正よりも噛み合わせの調整が難しくなっている点に注意が必要です。噛み合わせが悪い状態は、歯や歯周組織、顎関節に多大な悪影響をもたらすことから、再治療を必要とします。

【原因】

インビザライン矯正に関する知識や経験が乏しい歯科医師が担当すると、噛み合わせの正常化まで考慮した治療を行うのが困難な場合があります。

失敗例4:歯茎が下がった

歯列矯正には、歯茎が下がる歯肉退縮(しにくたいしゅく)のリスクを伴います。それはインビザライン矯正に限らず、すべての矯正法で起こり得ます。歯茎が下がると見た目が悪くなるため、インビザラインで失敗したと感じる方もいらっしゃいます。

【原因】

歯茎や顎の骨に矯正力がかかることで、吸収が起こります。患者さんのもともとの歯並びや顎の骨の厚みによっては、歯肉退縮を避けられないケースもあります。

失敗例5:虫歯・歯周病になった

インビザライン矯正中に虫歯や歯周病になると、歯並びの治療を中断せざるを得なくなります。症状が重く、歯や顎の骨の形が変わるような虫歯や歯周病を患った場合は、すでに作ってあるマウスピースが使えなくなることから、インビザラインが失敗したと感じます。

【原因】

インビザラインは、食事と歯磨きの際に装置を取り外せるため、ワイヤー矯正よりも汚れがたまりにくく、虫歯・歯周病リスクが低くなっています。そこで油断をして歯磨きが疎かになったり、マウスピースをつけたまま清涼飲料水を飲んだりすると、虫歯・歯周病リスクが大きく上昇します。

失敗例6:後戻りが起こった

インビザライン矯正でも後戻りが起こります。そのリスクはワイヤー矯正と変わりがありません。

【原因】

歯を動かす動的治療後に、リテーナーの装着を怠ることで後戻りが生じます。治療計画が適切ではない場合も後戻りが生じやすくなることでしょう。

インビザラインで失敗した場合の返金について

インビザラインで失敗した場合、支払った費用を返金してもらえるかどうかが気になるポイントかと思います。基本的に支払った費用が返金されることはないかと思いますが、インビザラインが失敗した責任が完全に医院側にある場合は、治療費の一部あるいは全部が返金されるかもしれませんので、必ず確認しておいた方が良いといえます。

インビザラインで失敗を回避する方法

インビザライン矯正で失敗を回避するためには、以下の 方法を実践する必要があります。

方法1:インビザラインの基本ルールを守る

インビザラインの基本ルールを守ることによって、失敗の多くは回避できます。具体的には、次の点がポイントとなります。

  • マウスピースを1日20~22時間装着する
  • マウスピースの交換頻度を守る
  • マウスピースを定位置までしっかり装着する
  • 飲食の際には必ずマウスピースを外す
  • 口腔およびマウスピースのケアを怠らない

方法2:経験が豊富な歯科医師を見つける

インビザライン矯正の知識や経験が豊富な歯科医師に治療を任せることで、失敗するリスクを低く抑えられます。

方法3:保定処置を最後までやり遂げる

保定処置には、数年間を要します。とても長い道のりとはなりますが、それを最後までやり遂げることで、後戻りのリスクを解消できます。

インビザラインで失敗してしまった方へ

もうすでにインビザラインで矯正治療を失敗してしまったという方もいらっしゃるかと思います。高いお金と時間をかけたのになぜ失敗してしまったのか。その答えや解決方法を知りたいという方は、お気軽に名古屋市の星ヶ丘矯正歯科までご相談ください。当院では、インビザライン矯正で失敗したケースを裏側矯正でリカバリーする治療を得意としております。

裏側矯正とは?

裏側矯正とは、歯列の裏側にブラケットとワイヤーを固定する治療法で、装置がまったく見えません。審美面においては、インビザラインより優れているといえるでしょう。また、裏側矯正は歯並びと噛み合わせを細かく調整するのに適した治療法なので、インビザラインで失敗したケースのリカバリーにも向いています。

矯正認定医の院長が治療を担当

星ヶ丘矯正の院長は、矯正認定医の資格を持っています。歯並び矯正専門の歯科医院として地域に根ざして15年。インビザラインだけでなく、裏側矯正や表側矯正、顎変形症の治療まで行える歯医者は千種区でも珍しいです。インビザラインで失敗したケースにも適切に対応できますので、まずは無料の矯正相談をご利用ください。

まとめ

今回は、インビザラインで失敗する原因や予防法、実際に失敗した場合の対処法を名古屋市千種区の星ヶ丘矯正が解説しました。インビザラインはワイヤー矯正とは異なる方法で歯並びを治すことから、失敗するリスクもやや高くなっています。その点も理解した上で、インビザラインを選択することが大切です。仮にインビザラインで失敗してしまったとしても裏側矯正などでリカバリーする方法はあることから、最後まで諦めずに理想の歯並び・噛み合わせを追求していきましょう。

著者プロフィール
矯正歯科医師:亀山威一郎

星ヶ丘DC矯正歯科:医院長・愛知学院大学歯学部非常勤講師 ・日本矯正歯科学会 認定医 ・ヨーロッパ舌側矯正歯科学会 専門医 ・世界舌側矯正歯科学会 認定医 小学生のとき矯正治療をするも、保定装置を使わなかったため後戻りし中学生で再治療を経験。そんな子供時代を過ごしながら歯科医師を志す。過去を振り返ったときにあのときに矯正してよかったと思える治療を目ざしています。

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