ハーフリンガル矯正について

矯正装置の見た目の違い

矯正装置にはいくつかの種類があり、目立つものと目立たないものに分けられます。最も目立つのは標準的な「表側矯正」で、ブラケットや金属製のワイヤーが歯列の表側に露出しています。逆に、最も目立たないのは「裏側矯正」で、ブラケットおよびワイヤーを歯列の裏側に設置します。

それぞれの矯正法には異なるメリットとデメリットがあるため、どちらかが完全に優れているとは言い難く、患者さんのニーズや歯並びの状態によって最善といえるものを選ぶ必要があります。場合によっては「ハーフリンガル矯正」という選択が最善となることもあるのです。

ハーフリンガル矯正は「上が裏側」「下が表側」

ハーフリンガル矯正は、上を裏側矯正、下を表側矯正で行う治療法です。裏側矯正のメリットを最大限に享受しつつ、表側矯正のデメリットを最小限に抑えることも可能な方法です。通常の裏側矯正と同じく、口元の審美性が低下しにくいことから、芸能人に広く支持されている治療法といえます。

ハーフリンガル矯正のメリット・デメリット

少し特殊な性質を持つハーフリンガル矯正には、次に挙げるようなメリットとデメリットを伴います。ハーフリンガル矯正を検討中の方は参考にしてみてください。とくに標準的な裏側矯正との違い知ることで、ハーフリンガル矯正の需要が高まっている理由を理解しやすくなることかと思います。

【メリット】

装置の目立ちにくさは裏側矯正と大差がない

下だけ表側矯正にすると、裏側矯正の「目立ちにくい」という最大の利点が半減してしまうように感じることでしょう。その点はご安心ください。上の歯列と下の歯列とでは、そもそも装置の目立ちやすさが大きく異なるのです。鏡で自分の顔を観察するとよくわかりますが、しゃべったり笑ったりする時に見えるのは、ほぼ上の歯列だけです。

つまり、矯正装置の目立ちにくさという利点を得るだけなら、ハーフリンガル矯正でも十分といえるのです。もちろん、歯並びや噛み合わせによっては、口を開けた時に下の歯列が目立つ場合もあります。そうしたケースでハーフリンガル矯正が第一に勧められることはまずないでしょう。

裏側矯正よりも装置による違和感・異物感が少ない

上下ともに装置が歯列の裏側に固定される裏側矯正は、食事中や会話中の違和感・異物感が比較的大きくなっています。歯列の内側には、舌というデリケートな器官が存在していますし、食べ物の通り道でもあるため、表側矯正よりも不快症状が出やすくなっているのです。

下だけ装置を表側に固定するハーフリンガル矯正なら、そうした不快症状を最小限に抑えられるでしょう。ちなみに、裏側矯正を選んだとしても、装置による違和感や異物感は徐々に軽くなっていきます。

裏側矯正よりも費用が安くなりやすい

歯列の裏側に装置を装着するためには、特別な技術と知識が必要となります。特殊なパーツも使用することから、裏側矯正の費用は、表側矯正よりも高くなるのが一般的です。下だけ表側矯正にするハーフリンガル矯正なら、通常の裏側矯正よりも費用が安くなる傾向にあります。

裏側矯正よりも治療期間が短くなりやすい

裏側矯正は、表側矯正よりも治療期間が長くなりやすいです。半分だけ表側矯正にすることで、治療期間を短縮できる場合があります。

【デメリット】

表側矯正よりも食事や歯磨きがしにくい

ハーフリンガル矯正では、上の装置に食べ物が詰まりやすいです。歯磨きもしにくいと感じることが多いでしょう。とくに鏡で確認しながら歯磨きすることができないため、きちんと磨けるようになるまでには、それなりに時間がかかります。

表側矯正よりも費用が高い

ハーフリンガル矯正の費用は、表側矯正よりも高くなります。標準的な裏側矯正よりは安くなることが多いです。

表側矯正よりも治療期間が長い

ハーフリンガル矯正の治療期間は、裏側矯正よりも短く、表側矯正よりも長くなる傾向にあります。

芸能人がハーフリンガルを選ぶ理由

ここまでハーフリンガル矯正の特徴やメリット・デメリットについて解説してきましたが、芸能人によく選ばれている理由も気になることでしょう。

理由1：装置の審美性の高さが優先される

芸能人が歯列矯正を検討する際、一般の人とは優先事項に違いが見られます。例えば、一般の人が出っ歯を治す場合にまず気になるのが「費用」ではないでしょうか。平均的な収入のご家庭では矯正にかかる費用が数十万円高くなるだけでも大きな痛手となります。ですから「治療費が安い」ことは、極めて大きなメリットとして映るのです。

一方、芸能人は費用が安いことよりも周囲に気づかれずに出っ歯を治すことの方が重要となります。それは芸能人が他人から見られる職業だからです。実際、出っ歯を治すために費用が比較的安い表側矯正を優先的に選ぶ芸能人は皆無に等しいでしょう。上でも述べたように、ハーフリンガル矯正なら標準的な裏側矯正と同程度の審美性の高さが期待できるため、芸能人によく選ばれているのです。それなら裏側矯正でも良いのでは？と疑問に感じることでしょうが、その答えは「理由2」にあります。

理由2：芸能生活への支障を最小限に抑えられる

裏側矯正とハーフリンガル矯正を比較した場合、後者の方が会話・食事・歯磨きがしやすいです。また、治療期間もハーフリンガル矯正の方が裏側矯正より短くできる可能性が高いです。これは多忙な生活を送る芸能人にとって極めて大きなメリットに感じられることでしょう。芸能人は人気商売なので、5年後、10年後にどうなっているかは誰もわかりません。毎回の仕事に全力を注いでいる芸能人がほとんどでしょうから、歯並びの治療を検討する場合は、芸能生活への支障を最小限に抑えられる方法を模索するのが自然といえます。

まとめ

今回は、芸能人が矯正治療でハーフリンガル矯正を選ぶ理由について解説しました。ハーフリンガル矯正は上を裏側矯正、下を表側矯正で行う治療法です。2つの矯正法のメリットを最大限、享受できる方法ですが、デメリットを伴うことも忘れてはいけません。

ただし、ハーフリンガル矯正のデメリットのほとんどは表側矯正と比較した場合に見られるものなので、芸能人にとってはあまり意味を成さないといっても間違いではないでしょう。なぜなら芸能人が表側矯正を選択するケースは極めて稀だからです。

つまり、芸能人は職業柄ハーフリンガル矯正のメリットのみを享受しやすいことから、広く支持を集めているのです。そんなハーフリンガル矯正に関心のある方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。星ヶ丘矯正歯科は、名古屋市千種区でハーフリンガル矯正に力を入れている歯医者さんです。