子供の歯列矯正で裏側矯正を選ぶメリット・デメリット

裏側矯正は装置がまったく見えないことから、大人の矯正治療で選ばれることが多いです。目立ちにくいことで有名なマウスピース型矯正装置よりも審美性に優れており、治療期間中も快適に過ごせます。

そんな裏側矯正は子供の歯並びの治療で選べるのか、可能であるなら何歳から適応できて、どのようなメリット・デメリットを伴うのかについて、名古屋市千種区の星ヶ丘矯正歯科がわかりやすく解説をします。

裏側矯正の特徴

歯の裏側に装置を付ける

裏側矯正は、歯の裏側に装置を付ける治療法です。舌側矯正(ぜっそくきょうせい)やリンガル矯正と呼ばれることもあります。歯を動かすためのブラケットとワイヤーが歯列の裏側に隠れることから、矯正装置がまったく見えない治療法といっても過言ではないのです。

ほとんどの症例に適応可能

裏側矯正は、矯正治療の中でも専門性が極めて高い分野となっています。そのため裏側矯正を行える歯科医師は、全国的に数が限られており、どの歯科医院でも治療を受けられるというわけではありませんのでご注意ください。だからといって適応できる症例が限定されているわけではなく、基本的にほとんどの歯並びを治すことが可能です。標準的な表側矯正で治せるケースなら、裏側矯正でも問題なく治療できます。

子供は裏側矯正を選べる?

子供の歯並びの治療というと、プレオルソや床矯正(しょうきょうせい)といったマウスピースタイプの装置をまずイメージするかと思いますが、それはいわゆる1期治療に該当します。1期治療は、顎の骨の発育を正常に促して、永久歯をきれいに並べるための土台を作る段階なので、歯列や顎の骨を拡大したり、お口周りの筋肉の発育を正常に促したりすることが主な治療目的となります。

今回のテーマである裏側矯正は、悪い歯並びを細かく整える歯列矯正に当たることから、1期治療で選択することはまずありません。後段で詳しく説明しますが、子供の歯並び治療で裏側矯正を選ぶのは、基本的に2期治療となります。2期治療であれば、子供も問題なく裏側矯正を選ぶことが可能です。

ズバリ、裏側矯正は何歳からできる?

裏側矯正は12歳前後から使用することが可能です。ただし、これはあくまで目安となる年齢であって、お子さんの発育状況によっては、裏側矯正を行う時期が遅れる可能性も十分にあります。前段でもご説明した通り、裏側矯正は表側矯正と同様、2期治療で行う歯列矯正なので、永久歯列が完成し、顎の骨の発育も終わりに近づいた頃であれば選択できます。

お子さんの裏側矯正の適応時期について具体的に知りたいという方は、星ヶ丘矯正歯科までご相談ください。子供の裏側矯正の費用や治療期間、治療手順などについても詳しくご説明します。

当院ではこれまでたくさんの子供の裏側矯正を行ってまいりました。子供の裏側矯正は、成人後に行う場合と比較して、配慮すべき点が増えることから、治療の難易度も高くなります。それだけに子供の裏側矯正の実績豊富な歯科医院で治療を任せた方が賢明といえるでしょう。

子供が裏側矯正するメリット・デメリット

子供の2期治療で、表側矯正ではなく裏側矯正を選択すると、次に挙げるようなメリット・デメリットを伴います。

【メリット】

学校の友達に気づかれにくい

子供が裏側矯正をする最大のメリットは、装置が目立たないことです。上でも述べたように、裏側矯正はブラケットやワイヤーを歯列の裏側に付けるため、外からは装置がまったく見えない状態を作ることができるのです。歯列矯正を行う人は増えてきているものの、やはり中学校や高校ではマイノリティーであることに変わりはありません。

思春期はちょっとした違いにも敏感に反応する年頃であることから、歯並びの治療を行っていることを学校の友達に知られたくないというお子さんも少なくないです。そんなケースでは、装置が見えない、気づかれにくい裏側矯正がおすすめといえます。

食事の時も見た目が気にならない

表側矯正の場合は、食べ物が装置に詰まったり、引っ掛かったりすることが多いため、どうしても見た目が気になります。食後に一生懸命、歯磨きをしても食べかすが残ってしまうのが一般的です。そうした状態は、学生生活で極めて大きなストレスとなります。裏側矯正も食べ物が詰まりやすい点は変わりないのですが、表側からは見えません。唾液による自浄作用も働きやすいため、表側矯正ほど食事中と食後に大きなストレスを受けることはないでしょう。

体育や部活でケガをすることが少ない

体育や部活では、球技を行う機会が多くなります。ボールが誤って顔面に当たったり、転んだ拍子に口元を地面にぶつけてしまったりすることは誰にでもあることです。その際、装置を表側に付けていると、口内を大きく傷つけてしまう恐れが出てきます。装置が外れるリスクも高まることでしょう。裏側矯正ならそうしたリスクを限りなくゼロに近付けられます。

【デメリット】

慣れるまではしゃべりにくい

裏側矯正の装置は、舌の動きを制限しやすいことから、慣れるまではしゃべりにくさを感じます。早ければ1~2週間、遅くても1ヵ月もすれば装置に慣れて、しゃべりにくさも改善されることでしょう。

歯磨きがしにくい

裏側矯正は、鏡で確認しながらブラッシングすることができないため、歯磨きしにくいと感じる日とも少なくありません。この点も慣れるまでには少し時間がかかります。

舌を傷つけやすい

裏側矯正は、唇や頬の内側の粘膜を傷つけることはありませんが、舌を傷めることはあります。裏側矯正を始めたばかりの頃は、辛い思いをするかもしれません。それもまた数週間経過すると慣れてきて、トラブルを起こさない舌の位置や動かし方がわかってきますので、焦らず地道に頑張っていきましょう。

費用が高くなりやすい

裏側矯正は、表側矯正よりも費用が高くなるのが一般的です。それは子供の裏側矯正も例外ではありません。全国的には子供の裏側矯正の費用は表側矯正よりも300,000~400,000円程度、高くなる傾向にあります。子供の裏側矯正では専用の装置を使ったり、専門性の高い技術や知識が求められたりするため、費用も自ずと高くなってしまうのです。

まとめ

今回は、子供が裏側矯正を選ぶメリット・デメリットについて、名古屋市千種区の星ヶ丘矯正歯科が解説しました。子供の裏側矯正は、永久歯列が完成する12歳前後から適応することが可能です。歯の生え変わりの時期や顎の発育状況には個人差が見られるため、「12歳前後」というのはあくまで目安程度にお考えください。子供の裏側矯正には、実に多くのメリットを伴います。それと同時に、費用がやや高くなるというデメリットも伴うため、治療選択は慎重に行うようにしましょう。

著者プロフィール
矯正歯科医師:亀山威一郎

星ヶ丘DC矯正歯科:医院長・愛知学院大学歯学部非常勤講師 ・日本矯正歯科学会 認定医 ・ヨーロッパ舌側矯正歯科学会 専門医 ・世界舌側矯正歯科学会 認定医 小学生のとき矯正治療をするも、保定装置を使わなかったため後戻りし中学生で再治療を経験。そんな子供時代を過ごしながら歯科医師を志す。過去を振り返ったときにあのときに矯正してよかったと思える治療を目ざしています。

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