第58回 近畿東海矯正歯科学会へ


大阪大学コンベンショウセンターで開催された近畿東海矯正歯科学会へ行ってきました。
名古屋から参加するには大阪大学吹田キャンパスは交通の便も悪く非常に遠い!

前回参加時は電車で行きましたが、
新幹線で新大阪まで行ってから
御堂筋線で千里中央駅。
そこから大阪モノレールで阪大病院前駅
でさらに徒歩10分とデラ遠いです。

Googleに聞くと電車より車のほうが早く着くと言うことで、
朝の6時半に自宅を出発し9時に会場に到着しました。


山口照子先生の講演

山口照子先生の講演


今回、私的に面白かったのは、
東北大学名誉教授、山口照子先生の
「歯科矯正用アンカースクリューを用いたエビデンスに基づく矯正歯科治療」
公益社団法人日本矯正歯科学会、嘉ノ海龍三先生の
「日本矯正歯科学会ホームページガイドラインと倫理規定の改訂について」
でした。

山口先生と言えばアンカースクリューというくらい矯正歯科では著明な先生です。
何度か講演を拝聴させて頂いた事はありますが、何回聞いてもなるほどと思わせてくれます。アンカースクリューが保険適応となったことを受けて、顎変形症患者さんに効果的に使用することで外科的侵襲を少なくする発想には唸らされました。
これは、当院でも取り入れることが出来ますので、今後は治療方針の見直しが必要になってきます。

嘉ノ海先生のホームページガイドラインについての講演は初めて聞く内容でした。正直どのような内容なのかイマイチよく分からない状態で聞かせて頂きましたが驚きの連続でした。
今時、ネット社会なので分からないこと調べたいことがあればネットで検索する時代です。矯正治療を悩まれている方もネットで検索して色々な医院のHPを見て受診されているはずです。
講演で、
矯正歯科医の社会における信用と信頼の向上を目的として
「矯正歯科治療は美容ではなく医療である」我々は顎口腔系に特化した医療者で社会から信頼されるためにある程度の自主規制が求められるとのことです。

もちろんそう思います。

日本矯正歯科学会が認定する認定医、専門医、指導医はこれを過度に強調するこのない限りにおいてはホームページ上に掲載することが出来る。
当院でも記載をしております。過度に強調はしていないつもりです。

資格喪失した会員がその掲載を削除すること無く掲載してる事例
があるそうです、それも70名以上!?怖いです。
資格喪失しているにもかかわらずあたかも資格を持っているようにホームページに書いてある人が70名以上いることにビックリです。
日本矯正歯科学会の認定医、専門医、指導医は取ったらおわりで有りません。
この資格は、必ず一定条件のもとに更新しないと継続できません。
この継続をしていないDrが70名以上もいるんです。
今一度、日本矯正歯科学会のホームページで確認する必要があるのかもしれません。
私は更新していますので名前は記載されております。

いわゆる研究会スタディグループが認定する資格、またはセミナー受講の修了書などの掲載も控えるべきである。なお資格認定の記載には必ず認定を行った学会名を記載する必要がある。
インコグニート認定医、インビザライン認定医など講習会に参加しただけで過度に認定医を強調している先生もいますが、講習会に参加すれば誰でも貰えます。決して認定医ということではありません。

学術的に不適切と思われる治療法や装置の説明ならびに用語は記載するべきではない。(例:ブライダル矯正、プチ矯正)
これらもホームペー上で見ることが出来ますが学術用語でなく造語なので患者さんに誤解を受けやすくなるので控えるべきとの事です。

治療法や装置の説明において歯科矯正学的根拠を伴わない表現は使用すべきではない(例:100%、99%、絶対、確実)
100%非抜歯で矯正治療が出来る?
100%ありえません。
こちらとしても抜歯はしたくありませんが、
歯と顎のバランスがどうしても悪ければ泣く泣く抜歯を選択しております。

色々なホームページでありますので、
それがどうなのかを見極めることも必要となりそうです。

そんな講演を聞いた後で、当院へ矯正相談にお越しになった患者さんが
裏側矯正を希望しておりました。
他院へ矯正相談に行ったさいに
「ホームページでは裏側矯正の事を乗せてあるけれどもウチではあんまりやってないんだよね。」
そしてマウスピース矯正を進められたと言われました。
思わず苦笑です。
ホームページではあたかも普通にやってますと宣伝しておいて違う治療を進めるのはどうなんでしょうか?
まさにリアルでこの問題を体験することが出来ました。
当院で裏側矯正を希望されるかたには、基本的には上下裏側矯正をオススメしております。他院で裏側矯正を断られたかたも一度ご相談ください。実際の治療した症例をみていただきながらお話をしております。
もちろん100%裏側矯正でできる訳ではありません。
上下舌側矯正が難しいかたもおります。